四つのプロセスを大切に

「本講座の特長」においてすでに述べましたように、本過去問講座は、実際の中学入試の過去問題に取り組むことを通じて、1.文章を「読む」=筆者との対話プロセス、2.問題を「分析する」=作問者との対話プロセス、3.解答を「表現する」=採点者との対話プロセス、4.1~3までの各プロセスを「検証する(振り返る)」=自分自身との対話プロセスの大切さを体得し、それぞれのプロセスをどのような意識と手段をもって満たしていけばよいかを、受講されるお子さまひとりひとりが自ら考え、実行できるようになることを目的としています。
スタディ・ラボ 四つのプロセス 

したがって、結果としての解答そのものに対するコメントよりも、受講されるお子さまが、どのように文章を読み、どのように問題に接して出題意図をとらえているのか(あるいはとらえられなかったのか)、そして、どのように自身の問題点を把握し、それをもとに今後どのように学んでいけばよいのかといった、受講生ひとりひとりに寄り添った国語の学習プロセスの指導に力点を置いております。

以上のような本講座の目的と趣旨を実りあるものとするために、受講生であるお子さまには、文章を「読むこと」、問題を「解くこと」の意味を考え、より正確に文章を読むにはどうしたらよいのだろうか、また、どのように解けば作問者の意図を満たしたといえるのだろうかという目的意識を持って課題に取り組んでいただきたいと願っております。

文章を読むこととは、すなわち文章の書き手である「他者」のいいたいことを理解することであり、そのためにはどのような意識が必要となり、どのような工夫ができるか。また、問題を解くということとは、すなわち問題を作った「他者」である作問者の意図を理解してその要求を満たすことであり、そのためにはどのような工夫ができるのかを、まず、お子さま自身で考え、悩み、実践していただくことで、「次」に向けた効果的なアドバイスを差し上げることができるからです。

より具体的には、文章を正確に読むための工夫をしようとすれば、文章に対する能動的な姿勢として、文章に線を引いたり、キーワードを囲ったり、あるいは自分なりに小見出しやメモを施すといった手段(読むための工夫)が自ずと形となって現れるでしょうし、また、設問の意図を注意深く察知し、条件違反を犯さないようにしようとすれば、設問中の作問者の求める内容や条件といったポイントに線を引くといった手段(解くための工夫)が目に見える形となって残るはずです。さらに、大型記述問題では、いきなり解答用紙のマス目に文字を記入していくのではなく、予め問題冊子の余白に下書きをしたり方針メモをしたりといった手段(伝えるための工夫)をすることもあるでしょう。

受講生の文章や設問に対する取り組み方、工夫しようとする意識が目に見える「形」になることで、たとえば接続詞の読み落としや、意味段落の分かれ目の認識の有無といったサインを、私たち指導者が読み取ることも可能となり、お子さまひとりひとりの現状から「次」の飛躍に向けてのアドバイスにつなげていくことができるというメリットもあります。

お子さま、保護者さまに心がけていただきたいこと

以上のように、本来目に見えない思考や意識を目に見える形にする視覚化の効果によって、ムダのない的確なアドバイスを行っていくというのが本講座の最大の特長です。受講されるお子さまが課題に取り組むにあたって心がけていただきたいことを以下にまとめておきます。もちろん、最初は「できる限り」意識するというところからのスタートで構いません。

1.文章を「読む」際には、筆者・作者のいいたいことを理解しようと努め、そのための工夫を、線や記号、メモといった形で問題文に残すようにする。

スタディ・ラボ 添削例

過去問の文章・設問に向かう姿勢の総評サンプルです
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2.問題を「解く」際には、作問者の要求する内容や条件を読み落とさないために、できるだけ設問や選択肢の内容にもチェックを施すようにする。

スタディ・ラボ 添削例

◇設問との「対話」についてのコメ ントのサンプルです
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3.解答用紙に答を記入する(「表現」する)際には、採点者に悪い印象を与えないよう、ていねいな字を書くように心がけ、大型記述問題では問題文の余白に下書きや方針メモをするといった工夫も積極的に行うようにする。

4.問題を解いて解答用紙に答を記入するだけで「よし」とせず、自ら過去問題集の解説と解答を読んで、自ら出した結果としての解答に責任を持って向き合い、答合わせや赤入れにもチャレンジする。

⇒たしかに最初は、十分な自信がないまま自分の出した結果と向き合うのはつらいかもしれませんが、指導者に「この答で合っていますか?」と判断を丸投げする習慣を断ち切らなければどの学問も自分のものにすることはできません。もちろん、解答の検証方法についてもアドバイスをしてまいりますので安心してください。また、答合わせの際、受講生が解説や解答のどのような点に注意を向けたか、答合わせや赤入れの方法が雑ではなかったかということまでチェックいたしますので、解説のポイントとなるところにチェックを入れたり解答のキーワードに赤線を付したりといった考えの足跡が残るようにしてください。

スタディ・ラボ 筑波大学付属駒場中学校 国語 添削例
スタディ・ラボ 栄光学園国語 添削例

◇解答用紙へのコメントのサンプルです。(筑波大駒場中、栄光学園中)
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5.「振り返りノート」を必ず用意・作成する。

⇒1年分の過去問題を解き、自身で答のチェックも終えたら、すべての問題についてではなくてもかまいません。どうしても解きたかった1問についてでも良いですし、解けなくて悔しかった数問でも結構です。ノートのページ数にして1~4ページくらいで(問題を解くのに使ったのと同じくらいの時間で)、自分のミスの原因や次に向けた対策、学習目標を具体的に書いてみましょう。文章読解や設問の分析を行うにあたってどのようなアクションが効果的であったかということを書き留めてもよいですね。それ以外に、感想や問題の傾向で気づいたことをまとめても良いでしょう。やりっ放し、解きっ放しにするのではなく、一度読み解いた問題を自分自身の骨肉とするためにこの「振り返り」というプロセスはたいへん重要なものなのです。

スタディ・ラボ 添削例

◇振り返りノートの作成につ いてのコメントのサンプルです
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私たちは振り返りノートもチェックすることで、より効果的なノートの作り方やまとめ方についてもさらなるアドバイスをしていきます。徐々に徐々に、自分にとって本当に役立つ、相棒のようなノートにしていけばよいのです。

以上、心がけていただきたいことは、国語過去問講座の「A.良問練成コース」と「B.志望校対策コース」両コース共通です。両者においての取り組み方の違いは、問題を解く際の時間管理の厳格性の有無や振り返りの際に意識すべきポイントの広狭です。

前者の「A.良問練成コース」にあっては取り組みの当初は制限時間を気にせずに、制限時間の最大2倍くらいの範囲で、1.読むプロセス、2.解くプロセス、3.表現するプロセス、4.振り返るプロセスというひとつひとつのプロセスをていねいに満たしてもらうことを目的としております。そして、振り返りの際も、合理的な時間の使い方という点をひとまずはカッコに入れて(時間制限は気にしないで考えられるだけ考え抜く)、文章の内容理解や設問の意図・条件把握といった問題内容面についての検討が主となります。ていねいな作業に習熟し、本当に自分が納得できるまで考え尽くすことに力点が置かれます。

これに対して後者の「B.志望校対策コース」にあっては、制限時間の中で自らの実力を出し切る(得点に結びつける)ことを目的とするために、「時間の管理」という点が大きな課題となります。したがって、振り返りの際には個々の問題に対するミスの原因究明といったことに加えて、試験全体の時間のさばき方(テスト戦術)の巧拙といった点が振り返りの対象として加わります。

受講生のお子さまによっては、本過去問講座に取り組んだ当初から、すでに国語の本質を理解し、あとは不足する知識や技術を補えばよいケースもあるでしょうし、まずは文章を「読む」こと、問題を「解く」ことの意味から考えなくてはならないといったケースもあるでしょうが、送っていただいた学習資料(お子さまが過去問に取り組んだ全ての成果物)をもとに、お子さまひとりひとりの現状に合った無理のないアドバイスを差し上げられるようにいたします。

具体的には、1.送っていただいた学習資料(Ⅰ問題冊子・Ⅱ解答用紙・Ⅲ振り返りノート)への書き込みや付箋貼付といった方法と、2.受講生であるお子さまの現状と課題点および「次」に向けて意識していただきたい点をまとめた「アドバイスシート」による報告による方法を併用し、1回の受講であっても多くの効果・学びへのヒントが得られるように配慮しております。

なお、ここに挙げた指導理念の背景につきましては、中学入試向け国語自習書『学び方を変えれば国語はグングン伸びる!』で詳しく解説しておりますので、ご高覧いただければ幸いです。スタディ・ラボの「ショップ」から購入することができます。また、お問い合わせいただいた方には無償で配布しております。

スタディ・ラボの国語過去問講座がお子さまの将来の夢の実現にお役に立てば幸いです。